8人のトランスジェンダーと当事者の一人として生きる著者とが織りなす語り合い
――それぞれの過去といまに触れ、その体験を解いた先に見えたものとは?
体験の「質感」を色鮮やかに描き出した、トランスジェンダーに出会える書
トランスジェンダーの人々が生きることに伴う「実感」とはどのようなものなのか?
――トランスジェンダーの一人として生きる著者と、8人のトランスジェンダーとの語り合いをつうじてこれらの問いに迫る労作。
それぞれの過去といまの体験世界を解くことで導き出された、〈雰囲気〉〈擬態〉〈器〉の3つの鍵概念からトランスジェンダーを生きるという体験に接近する。
【目次】
プロローグ
第I部 理論編
第1章 トランスジェンダーをめぐる歴史と今
1 トランスジェンダーにまつわる用語の整理
2 トランスジェンダーをめぐる歴史を辿る──聖なる存在から精神病者へ
3 トランスジェンダーを取り巻く現代の医療・社会制度
4 第1章のまとめ
第2章 性をめぐって語られてきたこと
1 古代の哲学──プラトンの『饗宴』において描かれたエロスの寓話
2 精神分析は性をどう捉えてきたか
3 制度・権力に支配される性
4 性を捉えるための現象学的視点の導入
5 トランスジェンダー現象学
6 第2章のまとめ
第3章 近年の実証的研究が明らかにしてきたこと
1 「一般的・平均的」なトランスジェンダーのあり方を記述する数量的な調査研究
2 トランスジェンダーを生きるという経験に注目した研究
3 筆者が明らかにしたい「体験」とその「質感」
4 第3章のまとめと本書の問題と目的
第4章 方法論
1 体験をどう記述するか
2 体験の記述をどう読んでもらうか──読み手に「追体験」してもらうために
3 「追体験」を求める記述がどのように学術的な知と言えるのか
第II部 事例編
第5章 性を他者との関係性から捉え直す──〈雰囲気〉
1 性は要素に分けて記述できるものなのか
2 協力者とインタビューの概要
3 口にせずともなぜか伝わってしまう
4 性は他者から〈雰囲気〉として感じ取られる
第6章 トランスジェンダーを生きるという体験に伴われる実感──〈擬態〉
1 トランスジェンダーを生きるという体験の「実感」
2 協力者とインタビューの概要
3 ビクビクと息をひそめる感じ,後ろめたさなどの実感
4 トランスジェンダーを生きるという体験に伴われる実感とその背後にあるもの
第7章 トランスジェンダーの人々はどのように他者や社会とつながっていくのか──〈器〉
1 トランスジェンダーの人々が安心して生きるためには
2 協力者とインタビューの概要
3 トランスジェンダーの人々が自然体でいられるために必要なこと
4 「受け止め」としての言語的概念と他者の存在
第8章 最終考察
1 トランスジェンダーを生きる体験の深部にある構造──〈雰囲気〉〈擬態〉〈器〉のつながり
2 どうすれば他者はトランスジェンダーを生きる人の〈器〉になれるのか
3 これまでの研究の問題点をどのように乗り越えたのか
4 本書から導かれるトランスジェンダーの人々への「支援」のあり方
5 体験をあぶり出すための「質感」的心理学
6 今後の展望
引用文献
付録──町田なりの語り合い法手引き
本書を読んで──町田さんという人の「実感」(大倉得史)
エピローグ
索 引
https://www.amazon.co.jp/%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BC%E3%82%92%E7%94%9F%E3%81%8D%E3%82%8B-%E8%AA%9E%E3%82%8A%E5%90%88%E3%81%84%E3%81%8B%E3%82%89%E6%8F%8F%E3%81%8F%E4%BD%93%E9%A8%93%E3%81%AE%E3%80%8C%E8%B3%AA%E6%84%9F%E3%80%8D-%E7%94%BA%E7%94%B0%E5%A5%88%E7%B7%92%E5%A3%AB/dp/4623094065
メモ:
先行研究の整理がうまくなされている。
投稿日:2022/04/22
修正日:2022/04/22