20250227日誌:キャリアパスの脱構築
2025.02.27 木キャリアパスの脱構築、というイベントがあった。以下のコメントを送った。冊子になっているが、そこからの転載。
−−−
大変お疲れ様でした。先端研の今期院生会会長として、以下の通りコメントをしたいと思います。おおまかには、院生会として何が可能かという点に重点を置きます。
まず、私が理解したことを整理すると、アカデミックキャリアと、そうでないキャリアがある。アカデミックキャリアは「パイ」が縮んでいるが、「専門性」を活かすことが出来る。アカデミックキャリアに進めなければ専門性は活かしにくい。このような単純化した対立を考えることが出来る。
アカデミックキャリアにいかに進むかという点は、もちろん院生会として何かやっていけるに越したことはないだろうが、現時点でも大学の支援は充実している(方なのだというのが戸谷先生のご発言にもあった)。院生会として、そこに重点を置く必要はない(それを大学側に求めることは必要だが)と感じた。 アカデミックキャリアではない専門性の活かし方について。趙さんのご発表にあったように、アカデミックキャリアでなくとも、専門性を発揮することは可能だということがあると思う。そうした多様なキャリアパスのなかで専門性を活かしていくための方策を考えることは、院生自治会として必要なことだと感じた。とはいえ、これもまた「民間就職」支援という形で、”文系”学問をする身からすると理系への支援ばかりが目立つようにも思われるが、大学が行っている。
だとすれば、院生会が行うべき何か、というのは比嘉先生のような実践のあり方を切り開くための方策を考えることなのではないか。すなわち、専門をまず堅持しつつ、それをなんらかの形でパッケージし、売上を作ること。より有り体に言うならば、「魂を売る」ことなく、しかし、現実に生活をし事業を成り立たせるだけの人と資産の流れを作り出すということだと思う。 そうした有り方を考えることは出来ると思うし、そうした実践をする手助けを、院生会という枠組みを使ってできるかもしれない。たとえば具体的に考えると、学内の枠組みだと、「イラレ」や「フォトショ」は使いやすいのだが、「インデザイン」(組版ソフトウェア)は使いにくい。インデザインを院生会予算で使えるようにして、各自が組版を覚えれば「軽出版」(仲俣暁生)のような試みもしやすくなると思う。あるいは、院生会名義でポッドキャストをやるとか、「文フリ」にでるとか、アイデアはたくさん出てくる。そこで、例え利益が100円でも出れば、単に学内のアルバイトで1500円を得るよりもきっと価値がある。
私は大学時代から少し事業収入があったので「開業届」を出したり「複式」で帳簿をつけて確定申告を出したり(などと書くと大仰だが大したことはない)、見積書を書いたり請求書を書いたりしてきたのだが、”ある程度”で固めてしまって、範囲を区切ってしまって、売るということが肝のようにも思う。きっと完璧にはならないし、しかし、あまりにも何も価値がなければお金をもらうことはできない。それを研究というフィールドでどうやるのか、ということを考えさせられた。 「魂を売らず」、自分(たち)の手元でお金の流れを生み出す練習を院生自治会として行う、ということはありうると思う。それは今回、このイベントで話を聞かなければ浮かんでこなかったアイデアだったと思う。
ただそれはキャリア支援という枠組みで考えるならばということに過ぎない。非常勤への給与があまりにも低すぎるだとか、常勤の先生への(事務・行政的)負荷があまりにも高すぎることだとか、そういったことを変えることは院生会のイシューとして大事だと思う。あるいは、インフレなのだし、学内の研究費を原資とするアルバイトも「賃上げ」を迫るべきかもしれない。ありきたりかもしれないが、そうしたことも含めて、どういう風に物事を考えていくのか、引き続き議論すべきだと思う。
Comments