■イルゴイエンヌ

「マリー=フランス・イルゴイエンヌ(仏: Marie-France Hirigoyen、1949年 - )は、フランスの精神科医、心理療法家。医学博士。専門は犯罪被害者学、精神病理学。モラル・ハラスメントの提唱者として知られる。」――Wikipedia

■グリューン

「1923年、ベルリンでユダヤ人の両親のもとに誕生。1936年、米国に移住。心理学を専攻し、1954年よりニューヨークのハーレムにある子ども病院の心理療法師として活動。1961年、テオドール・ライクのもとで精神分析医として学位を取得。その後、ラトガース大学で神経学ならびに心理学の教授として勤務するとともに精神分析医として活動。1979年、スイスのチューリヒに移住し精神療法の診療所を開設した。2015年10月に逝去。フロイトらの心理学を(批判的に)学び、ニーチェの哲学、フランクフルト学派の社会哲学の影響を受けた論考は、近代的な文化の中に生きる私たちの心の問題を解明し、「コピー」として生きるのではなく、「オリジナル」として生きるように提唱する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)」――『従順という心の病い -私たちはすでに従順になっている』より

■アリスミラー

「臨床経験の豊富さ及びその質の高さと、その著述の多さでは、世界的に注目されている。日本でも多くの本が訳出されている。ミラーは、人間社会の暴力性の根源を、幼児に対して加えられる暴力に求める。三歳までの子供は、親をはじめとする大人に対して全く抵抗することができず、自分でその場を離れることもできない。それゆえ、その間に幼児に暴力が加えられた場合、生き延びるためには、自分に暴力が加えられることを「正しいことだ」と肯定せざるをえない。このような形で暴力を肯定して屈服した子供は、その屈辱や悲しみを隠蔽し、その上に「正しい」人格(偽りの自己)を構成する。しかし、隠蔽されても屈辱や悲しみはそのまま生き延びており、それが絶えざる不安を惹き起こす。大人になってからも、それは一向に減少することなく継続し、何らかの機会にそれが他者に対する暴力として発揮される。特に暴力の対象となるのが、抵抗される心配もなく、またその暴力の行使を「しつけ」として正当化しうる自分の子供である。このような暴力の連鎖が、犯罪や反社会的行為の源泉であるとする。」――Wikipedia

■文献

「[…]子供は、自分が本当に受け止めた感覚を否定して、親の求める虚像を演じていれば、親に愛してもらえると理解する。この転換過程がグリューンの言う『自分に対する裏切り』である。」(p.32)

「人間は外界のメッセージを解釈する高い能力を持つがゆえに社会を構成しているのであるが、この社会を作り出す能力は、本来の自分ならざるものを自分の中に取り込み、自分自身の一部だと思い込む能力として、他人に悪用されうる。」(p.33)

「マリー=フランス・イルゴイエンヌの著作『モラル・ハラスメント』は、この悪意の存在を白日のもとに晒した点で衝撃的であった。
 イルゴイエンヌは膨大な数の実例に基づき、被害者と加害者がどっちもどっちに見える記述を拒絶し、加害者と被害者を明確に分離し、前者を悪意に満ちた、心の死にきった、しかし表面上はまともなフリをする悪辣な「変質者」として描き出した。」(p.37)
――『ハラスメントは連鎖する』

投稿日:2022/06/13

修正日:2022/06/13